リハビリ豆知識 第11弾 「ミラーニューロンってご存知ですか?」
皆様こんにちは。
今回は「ミラーニューロン」についてお話させて頂きます。
皆さんは「ミラーニューロン」という言葉を聞いたことがありますか?
近年の興味深い研究で、「人は自ら動くときだけではなく他人の動きを見ている時も脳の運動系が活動することが示唆された」⑴とあります。
これは、自分以外の他者の動作(例えば人が物を掴もうとする動作)を観察する際に、①全体の動作を観察する、②物だけを観察する、③腕の運動を観察する。それぞれの条件下で、運動誘発電位と言われる電気信号を測定すると、
①と③においてのみ脳の運動誘発電位が高まったという実験です。
ミラーニューロンは、他人の動きを認知するプロセスに、観察者の運動系も使われていることを示唆されています。
簡単に説明すると、「スポーツ選手の動きを見ているとき、自分の運動系の神経も働いている」という事で、人は運動技術を身体(脳の中の身体)で観察しているのです。
しかし、これにはある条件があります。先ほどの例で言うと、腕の動きを観察すれば、腕の筋を支配する神経は高まるが、指先の神経は高まらないのです。
ですので、物をつかもうとする動作で、腕に着目した人は腕の関連神経、指先に着目した人は、指の部分の神経が働くという事です。
幼い頃にお気に入りの選手の動きを何度も何度も繰り返してビデオを見て、その動きをまねした記憶がある。
動きを観察しているだけで実際に脳の中でも活動しているということは、運動技術の獲得がまず真似から入るという理論的根拠を示唆しているのかもしれません。
弘善会グループ
河村公裕
引用文献
⑴Fadiga,et al.Motor facilitation during action obsevation:A magnetic stimulation study.J Neurophysiol 73:2608-2611,1995
いかがでしょうか。運動技術の獲得についてお伝えさせていただきました。当ステーションでは最新の研究、経験に基づき利用者様お一人おひとりにあわせたプラン作成を心がけております。お気軽にお問い合わせください。