リハビリ豆知識 第2弾 「運動麻痺について」

リハビリ豆知識第2弾!

今回は脳卒中後遺症の主要な症状の【運動麻痺】について整理していこうと思います。

脳卒中になると一般的に運動麻痺が生じると言われていますが、その運動麻痺にも様々な種類や症状があります。

少しまとめてみましたので、良ければご参照ください。


【運動麻痺とは】

運動麻痺とは一般的に、「自分の意思で手足を動かせない状態」を指します。

運動麻痺の中には程度や分布によって様々な呼称があり、程度では完全麻痺(paralysis)、不全麻痺(paresis)と示されたり、分布では片麻痺(hemiplegia)、単麻痺(monoplegia)、対麻痺(paraplegia)と示されることがあります。

完全麻痺(かんぜんまひ)とは、骨格筋の随意運動が完全に喪失した状態を示します。

不全麻痺(ふぜんまひ)とは、運動麻痺分布が部分的であり、運動麻痺の程度も不完全な状態を示します。

片麻痺(かたまひ)とは、身体の一側に限局する運動麻痺を指し、運動麻痺の頻度としては最も多いと言われています。

単麻痺(たんまひ)とは、四肢のうち一肢のみの運動麻痺のことを指します。

対麻痺(ついまひ)とは、両下肢の運動麻痺が現れた状態を指します。

このように、運動麻痺の中にも様々な症状がありますが、一般的に脳卒中によって最も多く現れる症状は、「片麻痺」と言われています。しかし、実際にはそれだけではなく、後遺症として体内の「自分の意思で手足を動かそうとするシステム」と「効率の良い姿勢を保つために調整されるシステム」に障害が起こります。

【実際の臨床症状】

前述の「2つのシステム」は、異なる神経回路によって制御されています。

一般的に、「手足を動かそうとするシステム」は主に反対側の手足を制御しており、「効率よく姿勢を保つシステム」は同側の体幹を制御していると言われています。(下図参照)

    

上記のような神経システムが互いに密接に関係しあって、ヒトの体はコントロールされています。

そのため、両者が互いに密接に関係し、身体がコントロールされていることをしっかりと理解した上で、リハビリ内容を検討していくことが非常に重要なのです。


いかがでしたでしょうか?

今回は運動麻痺についてお伝えさせて頂きました。脳卒中後遺症で生じる運動麻痺について、少しご理解いただけたしょうか?

脳卒中によって生じる【運動麻痺】や【感覚障害】などの各症状の発生機序や、各疾患の治療方法など、アプローチはさまざまです。当ステーションではお一人おひとりに最適なプランをご用意し、お待ちしております。お気軽にご相談ください。