リハビリ豆知識 第13弾 「”フレイル”について②」
こんにちは。まだまだ寒い日が続きますね。
フレイルシリーズ第2回目です。
前回はフレイルとはなんぞや?といったお話をさせてもらいました。
その中でフレイルには身体的側面、心理・精神的側面、社会的側面の3つの側面があることをお話しました。
そして、フレイルの予防・改善の主な要素は
”運動”、”栄養”、”社会参加” の3つとお話ししたかと思います。
今日はこの3つのうちの”運動”についてお話します。
ところで、皆さんは最近体を動かしていますか?
厚生労働省の「健康づくりのための身体活動基準2013」には、
体力(全身持久力や筋力など)の向上や運動器の機能向上のためには
4メッツ・時/週に相当する1回あたり30分以上、週2日以上の運動が最低限必要である。と書かれています。
そして、
スポーツ庁の令和2年度の「スポーツの実施状況等に関する世論調査」では、全体では週に2日以上の運動実施率は45.2%となっており、約半数の方が何かしらの運動をしていることがわかります。なので、私みたいに体を動かしていない方は一緒に何かに取り組みましょう。
このグラフを見て驚いたのですが、60代、70代の方が全体よりも週に2回以上の運動をしている方の割合が高いことがわかりました。
ちなみに4メッツとは・・・これくらいです。
もっと細かく知りたい方は『国立健康・栄養研究所」の改訂版「身体活動のメッツ(METs)表」https://www.nibiohn.go.jp/eiken/programs/2011mets.pdf
の黄色背景の活動の項目を参考にしてくださいね。
話は少し逸れましたが、フレイルに対する運動介入は、
歩行能力、筋力、身体運動機能、日常生活活動を改善し、フレイルの進行を予防する可能性があるため推奨されています。1)
しかし、運動と言っても椅子に座ってできる運動からランニングやサッカーなど様々な運動があります。その中で、
フレイルにはレジスタンス運動、バランストレーニング、機能的トレーニングなどを組み合わせる複合的運動プログラムが推奨されています。1)
そして、フレイルに対する運動量は
十分な運動量を担保することが重要です。
フレイル高齢者に対する運動介入を実施した研究レビューでは、
①介入期間は12週間以上、②介入頻度は週に2~3回、③1回あたりの運動時間は60分程度と設定されている場合が多くみられたそうです。2)
あちこちで見かける介護予防事業(体操など)は1~2週に1回というところが多いため、自主トレなども併用する必要がありますね。
そしてトレーニングの運動強度は、
中程度から高強度がよく、徐々に強度を上げていくことが推奨されています。
目安を11段階に分けたものがありますので、参考にしてくださいね。
では、いよいよ運動をしようと思いますが、次のことに注意してくだい!
今回ご紹介する運動は「動ける体をつくるための運動」を目的に自宅でもできる簡単な運動を紹介しますね。
いかがでしょうか?動くために必要な足の筋力増強を目的とした運動の一例を紹介しました。よければ無理のない範囲で実施してみてくださいね。
回数は10回を1日2〜3セットほどを目安に実施してみてください。
ただし今回紹介した運動は一人ひとりの特性や体力に合わせていません。
しんどいと感じたら回数を減らすなど調整してください。
また、より自分に合わせるならば、医師やリハビリスタッフに相談してみてくださいね。
さて、ここで下のグラフを見てください。
筋力の改善率には「運動」や「栄養」それぞれ単独にアプローチする場合よりも、
「運動と栄養」を併用したほうが筋力や筋肉量が改善しやすいと言われています。
次回はリハビリ職視点から見た栄養について書こうと思います。
ところでもうすぐ春が来ますね。散歩などで外に出て足腰の力をつけることがフレイル対策にはいいと思うのですが、新型コロナウイルスのニュースを見るとまだ先のことになりそうですね・・・
それでは、またお会いしましょう。
<文献>
1)国立長寿医療研究センター,健康長寿教室テキスト第2版、p33
2)文光堂,高齢者の生活機能向上支援,p8
いかがでしたでしょうか?
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